1年後の明日、日本の福島県にあるJヴィレッジにてオリンピックの聖火リレーが始まる。これを受け、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)は、ドイツ・スイス・フランス、そしてなにより日本の反原発運動とともに日本におけるオリンピックにたいする国際的なインフォメーション・キャンペーンを開始する。その狙いは、「東京2020-放射能オリンピック」のスローガンのもと、福島での原発大事故による日本での放射線被曝の問題について注意を喚起することである。IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部の支部長であるアレックス・ローゼン医師は「われわれは放射能汚染によって健康上さまざまな影響が生み出されていることに危惧をいだいている。このことは、放射線によって影響を受けやすい人々、妊婦や子どもについて、とくにそう言える」と述べる。
原発事故が起きた場合、住民の追加線量被曝限度は年1ミリシーベルトまでという国際的基準がある。しかし、IPPNWのヨルク・シュミット医師は次のように批判する。「福島の帰還地域においては、住民はその20倍もの線量を甘受することが求められている」「すでに除染された場所においても風や天候のせいでいつでもまた被曝の可能性がある。というのも、森や山は放射能の貯蔵庫だからだ。2019年3月をもって避難者たちは財政的支援を失い、それによって除染された地域への帰還を強いられる。無償の仮設住宅の提供も、終了の運びとなる」と。
こうした事態を背景としてIPPNWドイツ支部は、上に述べたキャンペーンを組織しているが、それは来年のオリンピックまでさらに強化される必要がある。アレックス・ローゼン医師は、「オリンピックをもって世界の人々にたいし被曝した地域がもはや正常であるかのように演出する試みにたいして、われわれは反対する」と言う。さらに「すでに現在でも福島の子どもたちにおいて甲状腺ガンの発生数は著しく高い。しかも、それは氷山の一角にすぎない。今なお5万人以上の人々が引き続き放射能から逃れて避難生活を送っている。同時に、損壊した原子炉の周りでは今でも毎日放射性の燃えがらが海や地下水に注ぎ、収束作業もときに非人間的な条件のもとでおこなわれている。これのどこが正常なのか」と。
「東京2020-放射能オリンピック」キャンペーンの賛同団体
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